ブリッジSE(BrSE)に必要なスキルとは?主な仕事内容も紹介

SE

ブリッジSE(BrSE)ってそもそも何なのか?
ブリッジSEにはどういったスキルが必要なのか?

こういった疑問に答えます。

1.ブリッジSEとは?

ブリッジSE(Bridge SE)とは、システムの開発フェーズに海外のオフショア(offshore)を利用する際に、日本側スタッフと現地エンジニアを橋渡しするエンジニアです。

ブリッジSEには以下のようなパターンがあります。

  1. 日本勤務の日本BrSE
  2. 日本勤務の現地BrSE
  3. 海外勤務の日本BrSE
  4. 海外勤務の現地BrSE

1番目は、日本に住んでいる日本人が、現地エンジニアとコミュニケーションを取るパターンです。私の場合、現地エンジニア(中国人)が日本語できたので、日本語でやり取りしてました。

2番目は、以前の会社で、中国から日本に現地駐在して働いている中国人が、現地(中国)と蜜に中国語でコミュニケーションを取って橋渡しをしていました。

※日本駐在の中国人エンジニアは、日本語もできてめっちゃ優秀です

3番目は、私のような現地(セブ)でフィリピン人と英語でコミュニケーションを取るようなパターンです。

2.ブリッジSEに求められる5つのスキル

  1. 技術・開発スキル
  2. 語学力(英語)
  3. コミュニケーション力
  4. マネジメントスキル
  5. 両国の習慣や文化に対する理解

上記のスキルについてそれぞれ解説します。

2.1技術・開発スキル

日本スタッフまたはクライアントから指示・仕様内容をそのまま、右から左に流すだけなら正直だれでもいいですよね。

でもそれじゃプロジェクトがちゃんと回らないからブリッジSEが必要という訳です。

指示・仕様内容をふんわりと”いい感じにやっといて”と伝えても、現地エンジニアは何を具体的にどうすればいいかわかりません。

そのため仕様をしっかり理解して、それをコードレベルまで落とし込めるようにドキュメントを作成して、現地エンジニアがわかるように説明してあげる必要があります。

また要件定義のようなクライアントから要求事項をヒアリングして整理している段階で、リスクが高そうなタスク(機能)がある場合、どうすればその機能を実装できそうか考えておくスキルが必要です。

OS、ミドルウェア、アプリケーションをどう利用してアーキテクチャ設計をするか、それをクライアントへどう伝わるように説明するかも重要なスキルです。

SEの仕事内容については、こちらの記事でも紹介しています。

システムエンジニア(SE)とは?仕事内容や関連資格を紹介
システムエンジニア(SE)が主に行う仕事内容やSEに関連する資格や年収について紹介致します。主にクライアントからヒアリングを行い、要求事項をまとめ、システムの設計から開発、テスト、リリース、保守運用を担う人のことを指します。そのためプログラマーと違い、幅広く知識が必要で、責任範囲も広いです。

2.2語学力(英語)

最悪google翻訳やDeepLなどのツールを駆使すれば、何とかなるかもしれませんが、円滑にコミュニケーションを取るためにも話せるに越したことはありません。

SEは英語ができた方がいいメリットについて以下の記事をご参考下さい。

システムエンジニアは英語ができた方が絶対いい。5つのメリット。
SE(システムエンジニア)は英語ができた方がいいメリットについて話します。英語ができて、損することはありません。むしろできないと機会損失になる可能性があります。英語が読めるとエラーやドキュメントを理解して解決することができます。また英語が話せるとビジネにおいて、海外エンジニアとのコミュニケーションが円滑になります。

2.3コミュニケーション力

これは、言わずもがな業界問わず、また言語問わず重要なスキルです。

現地エンジニアには、理解できるように伝える、またクライアントには説明する/交渉するといったスキルです。

【初心者向け】仕事で使えるコミュニケーション術

2.4マネジメントスキル

基本的にプロジェクトが成功するかどうかは、マネジメントスキルにかかっています。ブリッジSE(PM)が、各エンジニアのスキルレベルを把握していることが望ましいです。

例えば、

  • スキルレベルがそこまで高くないエンジニアに高度な機能の実装を任せない
  • ある機能の実装が遅れていたら、原因を分析してチームでカバーする/代替案を考える

上記はあくまで一例ですが、他にもプロジェクトが遅延するリスク要因は潜んでいます。

そのため、要件定義のような開発が始まる前の上流フェーズにて、リスク分析/特定をしておくことも大切です。

また現地エンジニアにホウレンソウ(報告・連絡・相談)といった概念はないので、定例の場はブリッジSE(PM)から設ける必要があります。

PMP試験の概要について

2.5両国の習慣や文化に対する理解

フィリピンの場合であれば、クリスマスはとても大切な日であり、24日から年明けまで休みを取ります。

(9月くらいからクリスマス雰囲気となり、店などでクリスマスソングが流れてることがありますw)

そのため12月はエンジニアの稼働が少なくなることも考慮した上で、スケジュールを調整する必要があります。

また日本とフィリピンには時差が1時間ありますので、ミーティングを設定する際は時差に気を付ける必要があります。

3.ブリッジSEの主な仕事内容4つ

  1. 現地エンジニアへのプロジェクト説明
  2. 設計書等の作成やその翻訳と補足説明
  3. 現地エンジニアの開発進捗と品質の管理
  4. 日本側スタッフやクライアントへの説明

上記についてそれぞれ解説していきます。

3.1現地エンジニアへのプロジェクト説明

現地エンジニアは、クライアントから直接指示を受ける訳ではないので、ブリッジSEがプロジェクトの概要説明やスケジュールなどを説明する必要があります。

現地エンジニアに開発するシステム/サービスの目的や、どうゆうことを実現したいものなのかを理解させることはかなり重要です。

3.2設計書等の作成やその翻訳と補足説明

概要を理解させたら、細かい各画面やバッチ単位またDB定義書(ER図)等を用いて説明していきます。

翻訳自体は、google spread sheetの場合、translate関数を使えば簡単にできます。

※ただ英語訳に違和感がないかはチェックした方がいいです

3.3現地エンジニアの開発進捗と品質の管理

現地エンジニアの開発スケジュールを管理するのは、基本的にブリッジSEです。

そのため、計画通りに開発が進んでいるか、品質は問題ないか、デイリーMTGや定例会などでコミュニケーションを取って確認していく必要があります。

3.4日本側スタッフやクライアントへの説明

これはブリッジSEに限らず、SEとしても求められることですが、クライアントへどう実装して、どうテストしたのかといった説明をすることがあります。

4.ブリッジSEになるには?

英語力を磨く(主にリスニングとスピーキング)

面接対策としても、最低限、自己紹介や何ができるのかを英語で説明できるように準備しておくことをおすすめします。

履歴書も日本語と英語(resume)両方用意しておいた方がよいかもしれません。

上述した必要なスキルと主な仕事内容を理解した上で、転職エージェントを活用して仕事を探すという手があります。

5.まとめ:BrSEはこれからも需要がある

オフショア開発を利用することで開発コストを大幅に削減することができます。そのためオフショア開発需要の増加に伴い、ブリッジSEの需要は今後も高まっていきます。

さらに海外エンジニア(東南アジア)のレベルも年々高まっているため、日本のエンジニア(プログラマー)は、今後海外エンジニアとの競争にもなってくるかと思います。

エンジニアを目指す上で、ブリッジSEを1つの候補として検討するのも十分価値があります。