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PMP PMBoK 第6版を理解する 8.資源マネジメントについて
学習目標
・コミュニケーションマネジメントの全体を説明できる
・コミュニケーションマネジメントの計画プロセスについて説明できる
・コミュニケーションマネジメントプロセスについて説明できる。
・コミュニケーションの監視プロセスについて説明できる。
10.コミュニケーションマネジメントの全体
10.コミュニケーションマネジメント | インプット | ツールと技法 | アウトプット |
10.1コミュニケーションマネジメントの計画 | ・プロジェクト憲章 ・プロジェクトマネジメント計画書 | ・コミュニケーション要求事項分析 ・コミュニケーション技術・モデル・方法 | ・コミュニケーションマネジメント計画書 |
10.2コミュニケーションのマネジメント | ・コミュニケーションマネジメント計画書 ・作業パフォーマンス報告書 | ・コミュニケーション技術・方法 ・プロジェクトの報告 | ・プロジェクト伝達事項 |
10.3コミュニケーションの監視 | ・コミュニケーションマネジメント計画書 ・プロジェクト文書 ・作業パフォーマンスデータ | ・会議 | ・変更要求 ・作業パフォーマンス情報 |
コミュニケーションの計画を立てて、情報を配布し、情報が適切に取れているか確認します。
10.1 コミュニケーションマネジメントの計画
※13.2 ステークホルダーエンゲージメントの計画と同時並行。
プロジェクトのニーズに基づいたプロジェクトコミュニケーション活動のための適切な取り組み方と計画を策定するプロセスです。
どのような情報をどのように受け取りたいのか、情報のニーズを捉える、コミュニケーションの取り組み方を考えます。
インプット
・プロジェクト憲章(主要なステークホルダーリストを確認する)
・プロジェクトマネジメント計画書(ステークホルダーエンゲージメント計画書)
・要求事項文書(各ステークホルダーのコミュニケーション要求事項を確認する)
・プロジェクト文書(ステークホルダ登録簿:ステークホルダーの特定に利用)
ツールと技法
・コミュニケーション要求事項分析 PMBOK®Guidep.369,370
ステークホルダーの情報ニーズを確定させるため、以下の項目について分析します。
-コミュニケーション・チャネル(コミュニケーション・パス)の算出方法:n(n-1)÷2
ステークホルダーが10名であれば、10(10-1)÷2=45通り。
-組織図
-内部の情報ニーズ(組織内のコミュニケーション)
-外部の情報ニーズ(メディア、公衆)
・コミュニケーション技術:メディア全般のこと。
E メール、文書などの通信媒体そのもの。どれを使うかは、以下を考慮します。
・技術の可用性と信頼性(利用可能な技術であるのか?)
・利便性(使いやすさ)
・プロジェクト環境(バーチャルな環境で作業をするのか?)
・情報の機微性と機密性
・コミュニケーションモデル
コミュニケーションを行う発信者と受信者の間での情報のやりとりを定義します。
・コミュニケーション方法
–双方向コミュニケーション
特定の議題に関し、参加者全員が共通の理解をする時に効率的な方法です。
例)会議、テレビ会議、電話、ソーシャルメディアなど
–プッシュ型コミュニケーション
特定の個人に送信する方法です。
例)メモ、電子メール、FAXなど
–プル型コミュニケーション
情報量が大量であったり、受け手の人数が非常に多かったりする際に使用します。
例)ウェブポータル、イントラネット、e-learning、知識レポジトリなど
(対話/社内イントラネット/プル型/・・・)
⇒【解説】掲示板を利用する場合は、プル型になります。
アウトプット
・コミュニケーションマネジメント計画書 PMBOK®Guidep.377
-ステークホルダーのコミュニケーション要求事項・・どうゆう情報を欲しているか
-伝達すべき情報。言語、書式、内容、詳細度
→会議予定、レポートの内容、エスカレーションプロセス(問題が起きた時に誰にどのように伝えるか)など。
10.2 コミュニケーションのマネジメント
ステークホルダーに対して情報提供を行うプロセスです。
計画通り情報を配布する、報告書の管理が行われます。
予期しない情報の請求にも対処→突発的に報告を求められることがあります。
インプット
・プロジェクトマネジメント計画書(コミュニケーションマネジメント計画書)
→4.5 プロジェクト作業の監視コントロールのアウトプット
・プロジェクト文書(変更ログ、品質報告書、リスク報告書)
・作業パフォーマンス報告書
ツールと技法
・コミュニケーション・技術(10.1 参照)
・コミュニケーション方法(10.1 参照)
・プロジェクトの報告:情報の収集と配布の行為
アウトプット
・プロジェクト伝達事項(報告をした結果)
・プロジェクト文書更新版(教訓登録簿)
・組織のプロセス資産更新版(報告書がたまっていくので、まとめていく)
10.3 コミュニケーションの監視
適切に報告が行われているかを監視するプロセスです。
インプット
・プロジェクトマネジメント計画書(コミュニケーションマネジメント計画書)
・プロジェクト文書(プロジェクト伝達事項)
・作業パフォーマンスデータ:プロジェクト伝達事項とほぼ同じ
→4.3 プロジェクト作業の指揮マネジメントのアウトプット
※監視コントロールプロセスは、作業パフォーマンスデータをインプットにします。
ツールと技法
・会議
意思決定を行うことや、ステークホルダーの要求に応えるために、対面の会議やテレビ会議などが使用されます。
アウトプット
・作業パフォーマンス情報
・変更要求
適切な情報が取れていない場合、改善していきます。計画書の調整の意味での変更要求を提案します。
まとめ
- コミュニケーションマネジメントでは、コミュニケーションの計画を立てて、情報を配布し、情報が適切に取れているか確認する。
- コミュニケーションの計画にて、どのような情報をどのように受け取りたいのか、情報のニーズを捉える、コミュニケーションの取り組み方を考える。
- 要求事項文書を元に分析し、テークホルダーの情報ニーズを確定させる。
- コミュニケーションのマネジメントにて、計画通り情報を配布して、また報告書の管理を行う。また予期しない情報の請求にも対処する。
- 作業パフォーマンス報告書を元に、情報の収集と配布を行い、プロジェクト伝達事項(報告した結果)を作成する。
- コミュニケーションの監視にて、適切な情報が取れていない場合、計画書を調整する意味合いで変更要求を提案する。
今回は、コミュニケーションマネジメントについて、見ていきました。コミュニケーション方法については試験でも問われやすいため、3つの方法について抑えておくことをおすすめ致します。またステークホルダーエンゲージメントのマネジメントと関連性が高いため、13章との違いについても確認しておくとよいでしょう。
以上になります。お疲れ様でした!