PMP PMBoK 第6版を理解する 8.資源マネジメントについて

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PMP PMBoK 第6版を理解する 7.品質マネジメントについて

学習目標

・資源マネジメントの全体を説明できる
・資源マネジメントの計画プロセスのツールと技法、アウトプットについて説明できる
・アクティビティ資源見積もりプロセスのツールと技法、アウトプットについて説明できる
・資源の獲得プロセスのツールと技法について説明できる
・チームの育成プロセスのツールと技法について説明できる
・チームのマネジメントプロセスのツールと技法について説明できる

9.資源マネジメントの全体

9.資源マネジメントインプットツールと技法アウトプット
9.1資源マネジメントの計画・プロジェクト憲章
・資源マネジメント計画書
・プロジェクト文書
・データ表現(RACI)
・会議
・資源マネジメント計画書
・チーム憲章
9.2アクティビティ資源の見積もり・プロジェクトマネジメント計画書・見積技法
・会議
・資源要求事項
・見積もりの根拠
9.3資源の獲得・資源マネジメント計画書
・プロジェクト文書
・交渉
・先行割当
・バーチャルチーム
・物的資源の割当
・プロジェクトチームの任命
・変更要求
9.4チームの育成・資源マネジメント計画書
・プロジェクトチームの任命
・資源カレンダー
・コロケーション
・コミュニケーション技術(メディア全般)
・表彰と報酬
・トレーニング
・チームのパフォーマンス評価
(個人とチーム)
・変更要求
9.5チームのマネジメント・チームのパフォーマンス評価
・作業パフォーマンス報告書(予測の情報)
・コンフリクトマネジメント・変更要求
9.6資源のコントロール・プロジェクトマネジメント計画書
・作業パフォーマンスデータ
・データ分析
・問題解決
・作業パフォーマンス情報
・変更要求

【資源マネジメントは、プロジェクトを成功裏に完了させるために必要な資源を特定し、獲得し、マネジメントするプロセスからなる。】PMBOK®Guide p.307

9.1 資源マネジメントの計画

チームの資源、物的資源を見積もり、獲得し、マネジメントし、活用する方法について定義するプロセスです。

インプット

・プロジェクト憲章
・プロジェクトマネジメント計画書(品質マネジメント計画書)
定義された品質レベルを達成し維持して、必要な資源レベルを定義するのに使用します。

ツールと技法

データ表現(責任分担マトリクス:responsibility assignment matrix)
RACI・・・A(Accountable)が1人のものが正しいRACIチャート

※A(accountable)が責任者であるため、該当者は1名になります。その他の役割は2名以上になる場合があります。

アウトプット

・資源マネジメント計画書:人的資源に関わらず全ての資源の管理方法について記載。
資源の獲得方法や、人的資源の育成方法・マネジメント方法、資源の管理方法について定義した文書です。

-資源の特定方法
-資源を獲得すること
-役割と責任
-プロジェクト組織図

・チーム憲章
チームの価値観、合意、チームのあり方、コミュニケーションや会議のガイドラインなどを確立するための文書です。

9.2 アクティビティ資源の見積もり

プロジェクト作業を実施するために必要な人的資源、物的資源の数量を見積もるプロセスです。
※本プロセスの後に6.4アクティビティ所要期間の見積もりプロセスが続きます。

インプット

・プロジェクト文書

-アクティビティ属性(6.2 アクティビティの定義のアウトプット)
-アクティビティリスト(6.2 アクティビティの定義のアウトプット)
-コスト見積:予算がない場合、資源獲得が困難になるため、資源の選択に影響が出る。
-資源カレンダー:資源が利用可能な場合の作業日、シフト、祝日など。

ツールと技法

ボトムアップ見積もり、類推見積もり、パラメトリック見積もり
※三点見積は含まれません。

アウトプット

資源要求事項(6.4のインプット)
各ワークパッケージ、またはアクティビティを完了するために必要とされる資源のタイプと量を特定した文書です。

・見積もりの根拠
資源の見積りに関する根拠を文書で示したものです。

6.4 アクティビティ所要期間の見積もり

9.3 資源の獲得プロセス

アクティビティを完了するために必要となる人的資源や、物資や材料などを確保するプロセスです。

インプット

・プロジェクトマネジメント計画書
 -資源マネジメント計画書:資源の獲得方法を定義した文書です。
 -調達マネジメント計画書:調達マネジメント計画書:外部資源の獲得に関する情報を確認するために必要な文書です。
 -コストベースライン:資源獲得のための予算を確認するために必要な文書です。

・プロジェクト文書(資源カレンダー、資源要求事項)

ツールと技法

・意思決定:メンバの採用基準。
(可用性、コスト、能力、経験、知識、スキル、態度、国際的な要因)

・交渉(人間関係とチームに関するスキル)
機能部門M、その他のプロジェクトMT、外部組織との交渉を行い資源を獲得をします。

先行割当:必ず必要な資源は、プロジェクト憲章の作成プロセスでアサインされている場合があります。


・バーチャルチーム:コミュニケーション技術(SNS、TV会議、E-mailなど)で物理的に来れない人をチームに迎える一つの手段。

アウトプット

・物的資源の割当て
・プロジェクトチームの任命
・変更要求:資源が予定通りに集まらなかったときに変更要求を提案します。

9.4 チームの育成プロセス

チームの育成プロセスは、各プロジェクトメンバーのスキル、コンピテンシーを上げて、チームを育成し、 チームのパフォーマンスを高めるプロセスです。

チームの育成において、チームは 5 つの発展段階を経過するというタックマンモデルという考え方があります。

★タックマンモデル
成立期 → 動乱期 → 安定期 → 遂行期 → 解散期
・成立期(Forming):プロジェクトの目的を発表・メンバーはまだよそよそしく、役割と責任について学ぶ。 

・動乱期(Storming):異なる考えや、非生産的な環境になり、メンバー間の対立が起こる。
・安定期(Norming):メンバーが一緒に作業を始め、メンバー間に信頼関係が築かれていく。 
・遂行期(Performing):相互に依存関係を保ち、生産性が高く、課題に効果的に対処できる。
・解散期(Adjourning):プロジェクトが完了し、解散する。

インプット

・プロジェクトマネジメント計画書
(資源マネジメント計画書:トレーニング内容)

・プロジェクト文書
(プロジェクトチームの任命、資源カレンダー:トレーニング期間)

※誰がどのようなトレーニングをいつ受けるのかまとめたものです。

ツールと技法

・コロケーション:物理的に同じ場所に集めます。
メンバを集め、連帯感やコミュニケーションを活発にすることを目的とします。

・表彰と報奨

・トレーニング:予定したトレーニング、計画外のトレーニング

 –予定したトレーニング:資源マネジメント計画した通りに行います。
 –計画外のトレーニング:チームのマネジメントの過程における観察、対話、プロジェクトのパフォーマンス評価等の結果を受けて実施します。
※計画外はコンティンジェンシー予備を使います。

アウトプット

・チームのパフォーマンス評価:育成した結果。
個人に関わる評価、チームに関わる評価です。

・変更要求
チームの育成が芳しくない場合、変更要求(是正処置・予防処置)を提案します。

9.5 チームのマネジメントプロセス

チームのマネジメントプロセスは、メンバーのパフォーマンスを追跡し、フィードバックを提供し、課題を解決し、状況により変更要求を提案して、チームの変更をマネジメントするプロセスです。

インプット

・プロジェクトマネジメント計画書
(資源マネジメント計画書・・トレーニング内容)


・プロジェクト文書
(プロジェクトチームの任命、資源カレンダー:トレーニング期間)


・チームのパフォーマンス評価:育成した結果。


・作業パフォーマンス報告書:※
報告目的ではありません。
予測の情報次第でメンバに与える要求に変化が発生します。

->予算が少ない、期間が短いなど。

ツールと技法

・人間関係とチームに関するスキル
 –コンフリクトマネジメント:発生した場合はPMが手助けを行います。
対処法として5つあります。

1.撤退・回避(lose-lose):諦める(身を引くこと)、決断を先延ばしにすること。すぐに行動に移すことができるため、根深いコンフリクトに対して一時的な策として有効です。
2.鎮静・適応:意見が異なった部分より同意できる部分を強調すること。直接的な問題解決手段にはならないため、問題が再発する可能性があります。
3.妥協・和解:全員がある程度、満足できる解決策を模索すること。コンフリクトの解消という点では、協力・問題解決の次に良い解決策として考えられます。 
4.強制・指示(win-lose):相手に対して自分の意見を押しつけること。撤退・回避と同様、すぐに行動に移すことができるため、根深いコンフリクトに対して一時的な策として有効です。
5.協力・問題解決【別名:対峙】(win-win):コンフリクトの解消という点では、一番良い解決策。双方納得するまで話し合う方法。しかしコンフリクトの完全解消に時間が掛かり、有期的という要素をもつプロジェクトには、状況によりそぐわない場合があります。
PMBOK®Guide p.348, 349

アウトプット

・チームのパフォーマンス評価:個人のスキル向上、チームのパフォーマンス向上。

・変更要求
メンバーの変更、また要員に関することが原因でスケジュールやコストに影響を与えてしまう場合の変更要求です。

9.6 資源のコントロール

資源のコントロールプロセスは、配賦された物的資源が計画通りに利用可能であることを担保し、資源の計 画に対する実際の利用を監視するプロセスです。

インプット

・プロジェクトマネジメント計画書(資源マネジメント計画書)
・プロジェクト文書(物的資源の割り当て、資源要求事項)
・作業パフォーマンスデータ

ツールと技法

・データ分析(代替案分析、費用便益分析、パフォーマンスレビュー、傾向分析)

・問題解決
1.問題の特定→2.問題の定義→3.調査(データ収集)→4.分析→5.解決→6.結果の確認

・人間関係とチームに関するスキル
-交渉:PMは追加の物的資源、資源の変更、資源のコストについて交渉。
-影響力:影響力を及ぼすことで、PMが問題解決し、必要とされる資源をタイムリーに獲得するのに役立ちます。

アウトプット

・作業パフォーマンス情報

・変更要求
コントロールプロセスを行った結果、変更要求が必要な場合に提案します。
また是正処置、予防処置が計画に影響を与える場合、提案します。

まとめ

  • 資源マネジメントでは、必要な資源を特定し、獲得し、マネジメントする。
  • 資源マネジメントの計画にて、RACIのような責任と役割を定義する。
  • アクティビティ資源見積りにて、見積技法から資源要求事項(資源のタイプ量)を作成する。
  • 資源の獲得では、意思決定、交渉、先行割当などから、物的資源と人的資源を獲得する。
  • チームの育成では、5つの成長段階(タックマンモデル)がある。
  • トレーニングを行い、チームのパフォーマンス評価(育成した結果)ができる。
  • チームのマネジメントでは、コンフリクトマネジメントを行う。5つの対処法がある。
  • 資源のコントロールにて、物的資源が計画通りに利用可能であることを担保し、資源の計画に対する実際の利用を監視する。

コンフリクトマネジメントは、試験対策上とても重要なのでPMBOKもよく確認して頂くことをおすすめ致します。

以上になります。お疲れ様でした!


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